令和6年3月10日 新潟県県仏教会 県仏通信 第30号
弘法大師御生誕1250 年慶讃
「~ご誕生の物語~お大師さまは、宝亀5年(774年)
6月15日、御父・佐伯善通(さえきよしみち、俗名:田公たぎみ)と御母・玉依御前(たまよりごぜん)の子どもとして、讃岐国の屏風ガ浦(香川県善通寺市)でお生まれになり、幼名を
真魚(まお)と名付けられました。
ある日のこと、お父さまとお母さまが、
「天竺(インド)のお坊さんが紫色に輝く雲に乗って、お母さまのふところに入られる」
という夢を同時に見られ、真魚さまがお生まれになりました。真魚さまは5、6歳の頃、八葉の蓮華の中に座って、仏さまと話す夢をいつも見ていました。このお姿を描いたのが「稚児大師像」です。またその頃の遊びは、土で仏さまを作り、草や木を集めてお堂を作ったりして、仏さまを拝むことでした。その様子からお父さまとお母さまからは「貴物(とうともの)」と呼ばれました。
7歳の時、近くの捨身ガ嶽(しゃしんがだけ)に登り
「私は大きくなりましたら、世の中の困っている人々をお救いしたい。私にその力があるならば、命をながらえさせてください」
と仏さまに祈り、谷底めがけてとびおりました。
すると、どこからともなく美しい天女が現われ、真魚さまをしっかりとうけとめました。真魚さまは大変喜んで一層勉強にはげみ、18歳で都の大学に進学。在学中に僧侶の道を目指し、22歳で空海と改名しました。
31歳になると遣唐使として唐( 中国)に赴き、学んだ密教を日本で広めました。
「お大師さまの教えは、今も私たちを導いてくださり、お大師さまを慕って多くの方々が高野山をご参拝されます。」
昨年は、弘法大師がお生まれになってから1250年の年でした。
日本中の真言宗寺院では、この慶事をお祝いし、更には、命の尊さを確認すべく、法要が営まれました。
香川県の善通寺は、弘法大師様がお生まれになったところに建立されたお寺です。
このお寺の名前、善通(ぜんつう)は、弘法大師様のお父様のお名前、「よしみち」からとったお名前であります。
南無大師遍照金剛
題 ありがとうございます︒合掌の心
新潟県仏教会会長 真言宗豊山派 寶光院 住職 佐藤義尚
